2017_02
26
(Sun)22:33

愛すべき哲学の大先生 

人間がこれほどやっかいなのは、しゃべるからだからね。言葉があるからうるさいの。
                                         中野孝次
 まとまらない思いを吐露するにも相手が要る。犬は分からなくてもじっと見つめ聴いてくれる。
犬にはまった作家と如月小春、黒鉄ヒロシのでれでれ座談「犬は東に 日は西に」から。
私の敬愛する哲学の大先生は晩年、犬を相手にライプニッツ哲学を講じておられたという。
同僚にはおいそれとは語れぬ大胆な解釈が埋め込まれていたはずで、
犬の後ろでいちど拝聴したかった。                        (鷲田清一)

以上は、朝日新聞昨日の朝刊の「折々のことば」です。
私が気に入ったのは、「人間がこれほどやっかいなのは、しゃべるからだからね。」の中野孝次の言葉ではなく、
犬を相手にライプニッツ哲学を講義したという哲学の大先生。
なんと愛すべきお方でしょう。

「同僚にはおいそれとは語れぬ大胆な解釈が埋め込まれていたはずで」

だから、こそっとワンコに講じたのよね。
同僚には語れなくて、たとえ相手がワンコでもいい、それでも誰かに聞いて欲しかったのよね。
私自身は、デ某さんの言うように「唯我独尊」なので(笑)、
顰蹙を買うとわかっていても同僚に語ってしまうタイプだけれど、この大先生の気持ちもよ~くわかる。

ワンコって、こちらが一所懸命に話しかけると、本当に一所懸命に聞いてくれるし。
大先生のライプニッツの大胆な解釈を真剣に、しかし優しい眼差しで聞くワンコの姿が瞼に浮かびます。

ライプニッツは「モナド論」を説きました。
この世の物質の最小限の単位がモナドで、「モナドには窓がない」と。

若きしの私、この「モナドには窓がない」という理論が大変気に入り、
「私には窓がない」などと戯言を言っておりました。

昨年、いまはもうブログを閉じてしまった「私の生き方」さんに、
ハイデッガーは「物と物とは出会わない。人と人も出会わない。」という考えだったと教えられました。

私はハイデッガーの「存在と時間」を「物と物とは出会わない。」というところで読むのを止めたのです。
「じゃ、人間は出会うんかい!」と当時は反発したのですね。

ところがどっこい、大学院で哲学を専攻した「私の生き方」さんによると、
ハイデッガーは「人と人も出会わない」と説いたそうで。

しかし、若い時分の私は随分と寂しい考え方をしていたものです。
いまは?たぶん、私には窓があり、開けたり閉めたりしていると思います。

でも、結局、人はそれぞれ自分のメガネでものを見るのだから、
やっぱり誰にも知られず、誰も知ることもなく、この世を去っていくのだろうなぁ。

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