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物語を綴る~生きる喜びを拾いながら~

おひとり様シニアのひとり言。

誰も知らない

Category映画
今日は、邦画「誰も知らない」を観た。
昨日に引き続き、重い作品の鑑賞になると思って、
レオナルド・ディカプリオ主演「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を観ようとしたのだけれど、
こちらは「軽い」を通り越して、金と女とドラッグに溺れる、あまりにハチャメチャなストーリーなので、
呆れてすぐに止めてしまった。

誰も知らない

「誰も知らない」は、2004年に公開された是枝裕和監督作品。
主人公の少年を演じた 柳楽優弥くんが、カンヌ国際映画祭の史上最年少、
および日本人初の最優秀主演男優賞を獲得したことでかなり話題を呼んだ。

6~7年前に1度DVDを借りて観ようとしたのだけど、
始めのほんの数分で展開のスローさに馴染めず、止めてしまった経緯がある。
多分、当時の私はまだ仕事をしていて気持ちにゆとりがなく、
日本映画独特?の長い「間」が耐え難かったのだと思う。

それでも、1988年に起きた巣鴨子ども置き去り事件を是枝監督がどう描いているのか、
ずっと興味があったので、今回再度借りてみたのだ。

物語は、YOUと柳楽優弥扮する母子が都内のハイツ?アパート?に引っ越しして来るところから、
ドキュメンタリータッチで、ゆっくりと間を置くカメラワークで進む。

引っ越し荷物のスーツケースの中から子どもたちが出てくるところはショッキングだが、
しばらくは、ほのぼのとした母子や兄弟の交流が描かれる。

2誰も知らない 

だが、母親の代わりに買い物に行ったり、夕食を作ったりするのは長男の明の仕事で、洗濯は長女の仕事。
母親は家事はせず、仕事に行って遅く帰って来る。
どうやら、子どもたちは学校にも通っていないらしい。

ある日、母親は明に「京子、茂、ゆきをよろしくね」というメモと生活費を置いて姿を消す。
子どもたちだけの生活。
たまに現金封筒で生活費が送られてくる。
それが足りなくなると、明は次男茂や次女ゆきの父親に会って、僅かなお金をもらう。
子どもたちの父親はみんな違うのだ。
そして、どうやら母親は恋人と同棲しているらしい。

やがて、生活費が送られてくることもなくなり、子どもたちは困窮する。
電気も水道も止められ、部屋もそして心も荒れ始める。
そんなある日、明が少年野球を楽しんで家に帰ると、ゆきが踏み台から転落して動かなくなっている。
明は薬を万引きして、ゆきを助けようとするが、その甲斐なくゆきは亡くなってしまう。

明は仲良くしていた不登校の中学生紗希とともに、スーツケースに詰めたゆきの亡骸を河川敷に埋める。

最初から最後まで、じつに淡々とした描写。
凄惨な事実を淡々とした日常として描くことが、是枝監督の狙いだったと思う。
おそらく、実際の巣鴨子ども置き去り事件でも、子どもたちの生活はこんな風に淡々と動いていたに違いない。

だけれども、じつは私は、この映画には落胆したのだ。
1988年の事件では、兄弟の末っ子(当時2歳)が泣き止まないことに長男の遊び友達らが腹を立て、
押し入れの上から何度もこの子の上に飛び降りるなどの暴行を加えて死なすのだ。
是枝監督は、これを浅く、きれいに終わらせた気がして残念。

なお、巣鴨子ども置き去り事件では、母親が保護責任者遺棄致死の罪で逮捕・起訴され、
「懲役3年、執行猶予4年」の有罪判決を受ける。
長男は三女の死にかかわっていたとされ、傷害致死ならびに死体遺棄で東京家庭裁判所に送致されるが、
状況を考慮され、養護施設に送られる。
事件後、長女と次女は母親に引き取られたが、長男に関しては消息が不明
である。
                                       (青字部分はウィキペディアより引用)

4人の子どもの育児放棄をして恋人と同棲し、結果的に2歳だった三女を死なせた母親は執行猶予、
学校にも行かせてもらえず、懸命に三女のおむつ替えはもちろん、兄弟全員の食事等の面倒をみた長男明は
養護施設に送られた後消息不明・・・やり切れない。
ちなみに、子どもは全員無戸籍者。

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4 Comments

わすれ草  

痛い映画は

『誰も知らない』 見ていません。
と言うほど映画を見ている訳じゃないんですけど。
小説より悲惨な現実を映画にするのは、興業的に難しいのかもしれないと思いました。

私は暗く救いようのない映画のほうが好きだと思っていたのですが、年とって、希望の欠片が見えないまま終わるような映画は後味が悪すぎると感じるようになりました。
そうすると、いかにも作り物の筋が気に入らなくて。

今話題を集めている『沈黙』 私はたぶんだめです、痛すぎて見られない。
読んだだけでもあんなに気持ちが痛かったのだから、映像は強烈すぎます。

2017/01/05 (Thu) 11:07 | EDIT | REPLY |   

六花  

一筋縄

あ・あ・・とうめき声が出ます。
過去に 虐待児を救出したことがあり・・
そのトラウマがまだ私の心に残ります。

一筋縄ではいかない家庭崩壊・・
映画は真実を描けなかった監督の弱さがあり
美談に終わらせたかった にせものが 顔を見せているのでしょうか?
DVDを見ていないので 無責任な発言かも知れません。
フェリシアさん 私ね娘さんの自立精神分かるんですよー
上手に育てたんですね・・お父さんのお金も欲しがらなかったんですね・・
フェリシアさんしか書けないブログ書いて下さいネ。

2017/01/05 (Thu) 13:26 | EDIT | REPLY |   

風のフェリシア  

Re: わすれ草さん、私もそうなりつつあります!

わすれ草さん、私も今回「かならず夜は明ける」を観ていて、
何度も「もう観るの止めよう」と思ったときに、
希望がない映画は年齢的にきついと感じました。
「誰も知らない」の辛かったです。
今回のDVDは選択を間違えた(^^;)

>興業的に難しいのかもしれない

なるほど、確かにそうかもしれませんね!

遠藤周作の「沈黙」が映画になって公開されるのですね。
知りませんでした。教えてくれてありがとうございます。
DVDになってから観ようと思います。

遠藤周作の「沈黙」は、私が中3か高1のときの読書感想文の課題図書でした。
ミッションスクールに通っていましたので、当然宿題になって感想文を書いたのですが、
その感想文を国語の教師からこっぴどく批判されました。
以来、八つ当たり?で遠藤周作は読まなくなりましたね~。
今となっては懐かしい思い出ですが。

2017/01/05 (Thu) 22:18 | REPLY |   

風のフェリシア  

Re: 虐待児救出ですか!

六花さん、こんばんは。

六花さんは植物だけでなく、虐待児救出にも向かったのですね。
それはトラウマになりそうです。
でも、なかなかできない立派な行動ですね。

六花さん、私は上手に子育ては出来なかったんですよ。
我が家は、それこそ家庭崩壊していましたから。
打ちどころが悪ければ、家族の誰かが死んだり、
大けがしたりしても少しもおかしくはなかった。

元夫は「こうやって、弱い者、弱い者に出るんだ!」と言いながら、
暴力を振るいましたが、人間とは弱いもので、
私もまたそんな生活のストレスを子どもに向けたこともあったし(;;)
うつ状態になって仕事と最低限の家事で精一杯、
子どもの話が上の空だったり等々、反省ばかりです。

ただ幸いだったのは、同年代の子どもが多い大きな公団の団地に住んでいたので、
子どもたちは友だちのお母さんたちに見守られていたことです。

あんな家庭環境で、息子も娘もよくグレもせずに育ってくれたと。
もう、それだけで感謝しないといけませんね。

2017/01/05 (Thu) 22:39 | REPLY |   

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