私はまだ「おしものお世話」はされたくないです!
「看護実習をさせてくださいますか」と言われた。
学生さんは、いま断ってもいいし、途中で断ってもいいなどと書いた同意書を緊張して読み上げ、
「いかがでしょうか?」
断る理由はない。いやむしろお役に立てるのなら嬉しい気持ちで受けた。
毎日9時から15時まで来院し、ま、色々と話をしたり、こまごまとしたことのお世話になったり。
手術室でも出迎えてくれ、励ましてくれた。
そこまでは良かったのだが、
手術の翌日、まだ私が尿の管や体液や血液を外に出す管に繋がれているとき、
「お身体を清拭させていただきます」と言って学生さん2人と指導官の3人がズカズカと入って来た。
「ひとりでやると2時間とかかかってしまうので」と同級生を紹介されたが、
私ははっきり言って、あまり嬉しくはなかった。
乳がんで全摘手術をした身体は、あまり人目にさらしたくないのが本音だ。
事前に説明や同意を求めることもなく、3人で入って来て裸になれって・・・
でも、それはまだ辛抱できる範囲内だった。
上半身を学生さん2人がかりで拭いた後、
「では次はおしもを」とM字開脚をさせられた。
この辺りから私の身体は怒りを感じ始める。
で、担当の学生さんが尿の管がまだ刺してある私の「おしも」を、
じつに熱心に丁寧に洗ったり拭いたりしたのである。
とてもデリケートなことなので、口にするのも、こうして書くのも本当は憚れるのだけど、
問題提起しなければと敢えて書く。
彼女は本当に可愛くて真面目で熱心ないい子なのだけれど、
私は彼女が熱心でであればあるほど、丁寧であればあるほど、傷ついたのである。
深い屈辱感を味わったのである。
わかっていただけるだろうか?
私の人間としての尊厳が酷く傷ついたのだ。
そんな「お身体の清拭」のすぐ後で、
一緒にいた指導官が私の尿道に繋いだ管をピュッと外し、
「トイレまで歩いてみましょう」だって。
はあ?である。
トイレはすべてウォッシュレットだ。
いったい、さっきのバカ丁寧な(お下品な言葉づかいでごめんなさい)「おしもの清拭」だかは、
本当に必要だったの?
かりに本当に必要だったとしても、もっと清拭される患者の身になったやり方はできないの?
チャチャっと雑に済ませてくれた方が、私はどんなにか救われたか知れない。
以後、私は彼女と目を合わせることはできなかった。したくなかった。
一晩考えて、翌日、私は看護実習そのものを断った。
言いにくいことだからこそ、ここで私が言うことで気付いてほしかったのである。
指導官によると「術後には必ず清拭をすることになっている」そうだが、
患者はみんなこんな屈辱的なことを黙って耐えているのだろうか?
もし私の病状が悪い方に進んで、自力でトイレにいくことも難しくなったら、
こんな屈辱感にも耐えねばならないのだろうか?
そうだよね?それしかないものね?なんて哀しい。
そう思うと、どうにも気が塞いで仕方ないのである。

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